悪気はなくても絵描きを困らせてしまう感想やコメントってあるのかもな

絵描きに感想を伝えたいけど、まずいこと書いてイヤな思いをさせるのがこわい

良かれと思って感想を送ったのに絵描きが作品を全消ししてしまった……私のせい?何が悪かったんだろう?

と戸惑ってしまっている人向け【悪気はなくても絵描きを困らせてしまう感想ってあるのかもな……】と感じたことについて。

「絵描きへの感想はこう送るべき」みたいなマナーなんてないし、受け取りかたも人それぞれ違う。自分も絵を描く人間だけど、どちらかというと細かいことが気にならないタイプ。そのせいか、他の絵描きに無神経な感想やコメントを送ってしまい、イヤな顔をされたこともけっこうある。もちろん、少ないながらも自分自身がもらってとまどった感想やコメントもある。

お互いにもうちょっと言い方を変えたらよかったかもな……みたいなこともあったので、我が身を振り返りつつ「これからは自分はこんなことに気をつけていきたいな」ということについて書き残しておく。

相手がどう受け取るか分からないコメント

※「こういうコメントは絶対NG!」という基準なんかは当然なく、人によっては何とも思わないこともあります。本当に人それぞれ。

『絵が上手いですね』

絵描きに対して「絵が上手いですね」は失礼だとかいやそうじゃないとか、たびたび話題に上がることがある。

「でしょー! 私は絵が上手いのよふふん」と感じる人もいれば、「簡単に上手いとか言うけど絵のことを本当に分かって言ってるの?」と感じる人もいれば、「お世辞やめて恥ずかしい」と感じる人もいるだろう。

自分は今では「(この人の中では)私の絵を上手い絵に分類してくれてるんだなあ」くらいに感じるのだけど、自分では上手いと思っていないため、返事に困ったりはする。

「ありがとうございます!」と返事をすると、それを見た他の人たちから「あの人、自分で自分の絵を上手いって思ってるんだ……あの程度でー? プークスクス」と思われないかな……かと言って「そんなことないです!」と否定するのも失礼かもだし……と。せこいプライドが私を困らせる。

「顔かわいいですね」「美人ですね」と言われて困っちゃうのと似ているのかもしれない。言われたことないので推測だけど。

本当にそう思うから褒めたくて言っていても、相手が受け止めやすいかどうかというとわからない。これは絵に限らずなんでもそうかも。

ただし、どう受け止めるかは相手の問題であって、「絵が上手いですねって言うのはNG!」とするのはおかしいよな、と私は考える。「相手がどう受け止めるかは分からない、喜んでくれるかもしれないし拒絶されるかもしれない」という可能性を踏まえた上で、自分が言いたいならば言えばいいと思うのだ。

『誰々の絵に似てますね』

「誰々の絵に似てますね」と言われて、「オリジナリティがないってこと!?」と感じる人もいれば、「誰? その人知らん」と感じる人もいれば、「あの人の絵に似てるなんて光栄でうれしい!」と感じる人もいれば、「パクリ疑惑かけられてる?」と感じる人もいるだろう。

これもまた「どう受け止めるかは相手の問題」案件だと思う。

『◯◯描いてください』

いわゆるリクエストの『◯◯描いてください』(もちろん、リクエストを募っている人は別として)。

これも人それぞれだけど、ちょっと考えたことがあったので以前記事に書いている。

受け止めかたがどうこうではなく、実際問題困りそうなコメント

『Twitterアイコンに使っていいですか? 返事がなければOKと解釈します』

「素敵な絵ですね、Twitterアイコンに使っていいですか? ダメならそう言ってください。返事がなければOKだと解釈します」というコメントをpixivで見かけた。

「返事の手間をかけさせないように」と慮った上でこういう書き方をしているのかもしれないけど、見ず知らずの相手から突然こんなことを言われた絵描きは「え!? ちょっと待って使わないで!」「早く返事をしなければ!」と焦ってしまうと思う。

こまめにコメントチェックをしない絵描きは、気づかないうちに転載許可を出したことにされてしまう。

これは、もし自分がされたら焦るしこわいなと感じた。

昔の刑事ドラマによくあった「○時にどこどこ埠頭へ何千万持って来い、1分でも遅れれば人質の命はない」という緊迫感を思い出してしまった。

『自分のスマホの壁紙にしていいですか?』

「スマホの壁紙にしていいですか?」とか「いつでも見られるようダウンロードしていいですか?」とか、イラストの使用についての話をコメント欄でしたことでよけいなトラブルの元になった経験がある。

「個人使用の範囲ならOKですよ」と返事をすると、それを見ていた他の人が「へー個人使用OKなんだ! じゃあ私も個人使用の範囲でTwitterに載せよっと(←?)」とか「あの人の絵ってフリーらしいよ。自由に使っていいってコメント欄で言ってた(←?)」と謎の伝言ゲームになってしまったことがあった。

※個人使用の範囲というのは、ざっくり言うと、自分しか見ない状態で使うことです。

SNSって断片的なので、全員に正しい意図を伝えることが難しい。

なので、好意から言ってくれているのだろうし心苦しいなと思いつつ、私の場合はスルーしてしまうことが多い。

結局は、自分がどうしても言いたいかどうか

記事を書いていて感じたけど、「相手がどう受け止めるか気になって感想が送れない……」という場合、結局は「自分がどうしても言いたいならば言えばいい」だと思う。

相手がどう受け取るか、というのは考えても分からない。違う人間なので。

「悪気はなくても絵描きを困らせてしまう感想ってあるのかもな……」

「だから絵描きの顔色を一生懸命うかがうべき」とか「何も考えずに思ったことを全部言うべき」とかではなくて、相手のことをきちんと思った上で考えが及ばなかったのならそれは仕方ない。コミュニケーションというのは誤解とすれ違いの連続で、そういうものなんだろうなと。

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