【WIPの考え方】イラストの途中経過や進捗を投稿してもいいじゃない

イラストの途中経過や進捗をTwitterに投稿したいけど、途中経過なんて投稿するの恥ずかしいかな、ウザがられないかな……

と気にしてしまう絵描きさん向け、【WIP(Work In Progress)の考え方で途中経過や進捗を含めて共有し、楽しんでもいいのでは? 途中経過を共有することでメリットもあるし。】という記事。

【WIP】とは?

海外で使われる言葉として【WIP(Work In Progress)】というのがある。(自分の知る中ではアメリカの方が使っていました。)

「現在進行中」、つまり「まだ完成していなくて、まだ作業の途中ですよ」という、制作過程も含めて共有して楽しもう、な考え方だそう。その方はミュージシャンなので「前にみんなに聴かせた曲に歌詞がついたよ」とか「アレンジがこう変わったよ」みたいにネット上で楽曲作成の過程を報告し、聴かせてくれていた。ファンや視聴者にとっては興味深く、回を重ねるごとに曲に対する愛情も増していった気がする。

昔の個人サイトでも、まだ作りかけ・調整中のコンテンツに工事中アイコンを貼って「相互リンクページは工事中です」とか「under construction…」とか書いたりしたけど、あれも今思えば【WIP】だったんだろう。「まだそこまでは手が回っていないけど、とりあえずイラストページはできてるから見て!」みたいな。

SNSが主流になってきた今、いっそう創作の流れも早くなっている。

「もうあの人昨日の感想絵アップしてる! わーすごいリプもらっていいねもついて盛り上がってるよ……私まだ全然描けてないのに……私が描き上がる頃にはもう盛り上がりは去っちゃってるかも……焦るー!」みたいなことって、人気のジャンルだとけっこうあるし。

だったらあんまり完成度にこだわりすぎず、【WIP】の考え方でイラストの途中経過や進捗状況を含めて共有してしまえばいいのでは? という記事です。

「でも描きかけばかりアップしてウザがられてもいやだな」という一抹の不安、あるよね……。

  • 途中経過を投稿することでメリットもある
  • でも、ウザくならない工夫をしたい

について、個人的な経験をもとにしていろいろと考えてみた。

質より「リアルタイム性」が重宝される場合もある

最近「私は描くスピードが遅くてTwitterに疲れてきた。描く気なくした……」という悩みをよく聞く。SNS、特にTwitterはとにかく流れが早いので、ていねいに完成度を上げて仕上げたい人や筆の遅いタイプの人は焦ってしまうのだと思う。

上手く手を抜くコツや描くスピード自体を上げるコツもあるだろうけど、ていねいな絵柄の人にとっては難易度が高い。だから、もしSNSの流れに乗れないことでモチベーションが下がるというなら、途中経過で投稿してもいいじゃない。

リアルタイム性が重要なイラストなら、完成度とか上手さとかよりも新鮮なうちにとりあえず形にして盛り上がることの方が求められている気がする。

自分の経験だけど、とあるイベントの感想絵をその日のうちにラフ状態でアップしたところフォロワーさんたちが想像以上に盛り上がってくれた。「でも描きかけだし、がんばってなるべく早く完成させよう!」と翌日に完成イラストをアップしたらほとんど反応がなくて「えー! 完成が楽しみですとか他のキャラも描いてくださいとか言ってくれた……よね……?」ってことがあった。

リハが満員だったのでキメキメの衣装で張り切って本番を迎えたら客席ガラガラ……みたいな恥ずかしさ。

自分がすべったみたいな気がして「真に受けたりしないで昨日のラフで終わっときゃよかった……」と、かなり徒労感とショックがあった。10年くらい前だけど今でも思い出すとうわーっとなるくらいにはダメージが残っている。

誰が悪いとかではなくて「SNSってそういうもんなんだな」というのを魂に刻んだできごと。

それからは自分は「出しどき」「引きどき」を見るようになって、「ていねいに仕上げたいもの」と「今、途中経過でも出すことに意義があるもの」を分けて考えるようになった。

自分なりに描くスピードをアップする方法を考えてみた記事

途中経過を投稿するとお得なこともある

他人の途中経過は参考になることも

人にもよるけど、他人の作業過程って参考になることもある。

これはけっこう大昔、2人以上のキャラを描く場合に下書きのレイヤーを分けて、さらにキャラ別に色も分けているのを見かけて「なるほどー!」と思ってそれからマネをしている。今ではかなり当たり前のtipsだけど、デジタル絵初期には他人の工程の何もかもが参考になった。

他にもアタリの取り方、どこから描くかとか、何をどういう意図で修正するかとか、他人の作業過程を見せてもらうことで真似したいポイントをいくつも見つけてこれた。途中経過でお互いのテクを共有することができるのって、けっこうお得な気がする。

自作発言を防ぐことができる・自分が描いたという証拠になる

あとはもし転載や自作発言をされたときに「これは確かに自分が描いた絵です」という証拠にもなる。

自作発言してる人に突きつけても多分言葉は通じない(日本語が通じないという意味ではなく、説明しても分かってもらえないという意味で)ので、犯人そのものに対してというより周囲に対しての証拠になる。

証拠があればフォロワーさんたちはもちろん見ず知らずの人たちにも信じてもらえるし、協力もしてもらえる。これが途中経過を載せる最大のメリットといえばメリットかもしれない。

途中経過を投稿してもウザくならないためには

自分のアカウントだし好きにしようぜ! というのが私の持論ではあるけど、気にしちゃう系の絵描きさんは「そうは言っても途中経過を投稿してフォロワーさんにウザがられないか心配なんだよな……」と思ってしまうかもしれない。

そうならないように、いろいろ工夫もできると思う。

【ポイピク】などの別サービスにアップする

Twitterのメディア欄を圧迫しないように、途中経過は【ポイピク】などの別サービスにアップするという人も増えている。

イラストとか箱「ポイピク」
ツイッターのイラスト管理を便利にする イラスト箱

【ポイピク】はまさにそのためのサービスで、「作業進捗」「供養」「描きかけ」などのタグがあって使い分けることができる。絵文字で反応をしてもらえるので寂しくないし、リプを返す手間もかからない。TwitterのTLではワンクッション置けるので、興味がない人にはスルーしてもらえるのもいい。

途中経過の投稿に自分なりのルールを決めてみる

作業している本人は「自分ではけっこうがんばった! 作業が進んだ!」と思っても、他人から見ると同じ描きかけにすぎないこともある。自分のかわいい子どもは毎日毎時毎分ごとに成長していくように思えても、他人からすれば昨日と今日の子どもの写真を並べられても違いは分からないのだよね……。

なので、自分が進捗状況を投稿するときは、線画、下塗り、仕上げなど、ある程度進捗がハッキリ見える工程で分けている。

これなら①の段階ですでに何を描きたいのかは分かるし、②③もそれぞれ「何がどんなふうに進捗したか」が分かる。これくらいならメディア欄に残っていてもそこまで「描きかけばっかり!」というほどでもない。

途中経過でも気にせず投稿するには……
  • 【ポイピク】などの別サービスを使う
  • 途中経過は進捗がはっきり分かるような工程別にとどめる

「途中経過の恥ずかしさ」を割り切る

「途中経過を投稿したいけどウザがられないかな」と心配になるのって、他人が実際どうこう言ってくるというよりは自分で自分が許せなくて苦しんでいることが多いのでは。

あと、なんか着替えや化粧の途中で人前に出るみたいな恥ずかしさもあるような気がするので、そこらへんの割り切り方についても考えてみた。

自分で勝手に自分用のルールを決める

自分の場合、「ここまで工程が進んだら投稿しよう」「リアルタイム性(TLの盛り上がり)を重視するような絵だったら完成度にこだわらず投稿しよう」みたいに、自分用のルールを勝手に決めてしまっている。他人は他人で自由に、自分は自分で自由に。

意外と他人はそこまで見てないし「あの人ったらTLの盛り上がりに乗っかろうとして雑な描きかけを載せてきたわ! 浅ましい!」なんてことも思わない。

ラフでも意外と伝わるし、恥ずかしいのは自分だけ

あとは「途中経過なんて見せるの恥ずかしい、隙なく完成させてからじゃないと無理!」問題。

ちょっとだけデザインの仕事をしていたとき「ラフでいいから見せてください、進捗を共有してください」と言われて最初はとても恥ずかしかったけど、そんなことも言っていられないので全部丸出しにしているうちに慣れてきた。恥ずかしいのは自分だけなんだなと。

見るほうは完全なものを求めているのではなく、今描き手の中にどんなイメージがあるのかを知りたい(仕事の場合は、進捗状況によってはすり合わせを行いたい)わけで。

そしてラフでも意外と伝えたいことは十分伝わるものなんだ、という実感を得た。ていねいに仕上げたところで、それが蛇足になってしまうこともあるほどにね……。(まだ引きずっている)

SNSで絵をバンバン上げられる人って、そのへんのところを肌感覚で分かっている気がする。

逆に「描くのが遅くて乗り遅れてしまう」と悩んでいる人は、実際に描くスピードが遅いというよりも、SNSの流れに合わせた手の抜きどころを見つけていないだけな気がする。手の抜きどころなんていうと不真面目みたいだけど、緩急というか融通というか。

「上達のため」と「イラストを通してSNSで交流を楽しむため」を分けて考えてみる

もちろん「ノリだけでラフばっかり投稿して、そのとき盛り上がればそれでいい」とかだけだと絵も上達しにくいのだろうから、一つの絵をじっくり完成させることはそれはそれでやっていくとして。

「上達のために自分なりにがんばること」と「イラストを通してSNSで交流を楽しむこと」を分けて考えてみるといろいろスッキリしそうかなーと自分は思ったので、そのようにしています。

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