絵を描くとストレス解消になる人、逆にストレスがたまる人の違いとは

「絵を描くとストレス解消になるって本当? 逆にストレスたまってる気がするんだけど」

「絵を描くとストレスたまってつらいの何とかしたい……」

という人向け【絵を描いてストレス解消されるケースと、逆に絵を描くとストレスがたまるケースについて。ではどうすればいいのか?】について考えてみた記事。

絵を描くなどのアート活動をすることでストレスが緩和された、という実験結果がある。

アート経験の有無、上手い下手を問わず、クリエイティブな活動を45分続けるとコルチゾール(ストレスに反応して出る物質)が減った、というもの。75%もの人に効果が見られたそうだ。

絵を描くとストレスが減る。下手でもOKみたい(研究結果)
アートの経験がない人にもいいニュースです。

でも「えー、私は絵を描いてるとむしろストレス溜まるんだけど……」という人もいるかもしれない。

そこで、絵を描くとなぜストレスが解消されるのか、また、なぜ解消されないのかについて考えてみた。

なぜ絵を描くとストレス解消になるのか

ストレッサー(ストレスを発生させるもの)は過去か未来にしかない

ストレスを解消する方法というのはただ一つ、『今』に集中することだと言われている。

というのは、ストレッサー(ストレスを発生させるもの)は過去と未来にしかないから。

今おうちでソファに座ってこのブログを読んでいる『今』は、何のストレスもないはずだ。(このブログ、なんかもったいぶりやがってイラつく! というストレスはあるかもしれないけど。すみません。)

「いや、今もストレスあるよ! 今日はわけわからんクレーマーの対応させられて、今でもムカムカしてるもん」

でもそれは『過去』のできごとをわざわざ巻き戻して感じている、再放送というか幻覚であって、『今』目の前にストレッサーは無い。

「いや、今もストレスあるよ! 将来どうなっちゃうんだろう、親の介護も子どもの学費もずっと不安だもん」

という場合も同じく『未来』に対して想像上で思い悩んでいるのであって、『今』目の前にストレッサーは存在しない。

『今このとき』に集中することでストレスは解消される

そこで古来より人間は『今このとき』に集中するためのものをいろいろ編み出してきた。

それが【瞑想】だったり【座禅】だったりするわけです。

最近だと「【掃除】をすると開運できる!」みたいなことをよく見かけるけど、これも、

"今このとき"に集中することでストレスを解消

頭と心がスッキリして余裕ができる

じっくり考えられたり、ひらめいたりする

人生全般の効率が上がる(開運する?)

みたいな理屈なんだと思う。まあ確かにストレスが解消されて損することはない。

「瞑想も座禅もハードルが高いし、ちょっとな……」だったら【絵を描くこと】でも『今』に集中できる

思った通りに線を引くことだって、色を塗ることだって、今目の前に集中しなければできないことの連続。そうそう、【写経】だって修行の一つだし。

「絵を描いても逆にストレスたまるんだけど……」という場合

と言っても「絵を描いても逆にイライラしてストレスたまるんだよね」ということもあると思う。

つまりそれは、『今このとき』に集中できていないからだ、と言える。

手癖・惰性で絵を描いてしまっている

たとえば手癖でなんとなく絵を描いている場合とかだと、『今』に集中しているとは言えないと思う。

ざかざか惰性でクロッキー帳は埋めつつも頭の中は別のことでモヤモヤ……という感じだと、いろんな意味で無駄になってしまう。

でも「手癖や惰性じゃなく集中して線を描く」ってどんな感覚なのかって、実際に自分で体験してみないといまいち分かりにくい。

解決法①ていねいに線を描く

自分は以前友人に「下書きと線画で全然イメージが違っちゃうんだよね」と相談したところ「あ、それ線をていねいに描いてないからだよ」と言われたことがあった。

そのときは「は!? ていねいに描いてるし!」と思って反発したんだけど、実際やってみたら全然ていねいに描けてなかったことに気づいたよという記事。↓

解決法②プロの線をなぞって描けるドリルを体験する

あと、なぞって描くドリルも自分には役立った。

「実際に著者(室井康雄氏)がなぞってみた」な動画もある。見てみると「うわー、想像よりもだいぶゆっくり線を描くんだな」というのが分かる。

絵の評価を気にしちゃって集中できない

あとはSNSにアップする人の場合だと「こないだ5時間かけて描いた絵にいいねが7個しかつかなかったよな……むなしい」とか「今がんばって描いてるこの絵、いいねが10いかなかったら泣くんだけど……想像するだけで萎える」みたいなストレスもあるかもしれない。

でも、上で書いた理屈でいくと、それも過去と未来のストレスだ。

"今絵を描いていること"と"過去にいいねがつかなかったこと"はなんの関係もない。

"今描いているこの絵"に、"未来にいいねがつくかつかないか"はまた別の話。

いいねがつかなかった過去はとりあえず『今は』忘れて、その絵に集中する。

下手でがっかりするかもしれない未来はとりあえず『今は』置いといて、その絵に集中する。

いいねが少なくてもうしこたま悩んだんだから、別の絵を描いている今にまで引きずる必要はない。どうしてもまだ悩みたかったら、その絵を描き終えてからゆっくり悩みを反芻すればよい。

どうせSNSにアップしたあと落ち込むんだから、そのときに未来で思う存分落ち込めばいい。今から落ち込む必要はない。いちいち落ち込みの予行練習いらんでしょう。

モヤモヤするときは「あっ、いかんいかん」と軌道修正して、目の前の線に意識を戻すようにしています。集中してモヤモヤを追い出す。

我々はせっかく絵を描いているんだから

ストレス解消っていうと、「くそー! 誰々ムカつくー!」とか言いながらサンドバッグを殴るとか、失恋してカラオケで悲しい曲を歌いまくって号泣する、みたいなのを思い浮かべてしまうけど、それってどれもストレッサー(ストレスを引き起こした原因)に集中してしまっている。

過ぎたものをいちいち思い出してしつこく再生して、嫌な気持ちにわざわざ浸っている。

一回やってスッキリするのはアリだけど、何度も繰り返し嫌な思いに浸っていては逆効果になってしまう。いわゆる「忘れようと思っているのに忘れられない」状態。

「どんな悩みも過去と未来にしかないんだとりあえず今は目の前のこれに集中しよう」と意識するだけで、なんだってストレス解消になるんだと思う。

上に述べた、アート活動をするとコルチゾールが減少するという実験結果も、こういった要素が多分にあると思う。別にアートじゃなくてもいいけど、アートだと楽しんで集中しやすいというだけで。

せっかく絵を描いている我々は、せっかくならいい感じで描いていくと得だよなと思った次第です。

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