「フリーランスとしてイラストの仕事をしたいけど、流れとか雰囲気がまったく想像できない……どんな感じなんだろう?」
「絵の仕事をするとして、料金の相場ってどうやって決めたらいいのかな?」
と悩んでいる人向け【クラウドソーシング系サービスに登録してみる→自分がやりたい業種のクリエイターをチェック→だいたいの雰囲気が分かるし相場のリサーチもできる。】という記事。
自分は子どもの頃から絵を描いていて美大受験も経験したけど、デザイン関係の仕事には就けなかった。経験も実績もゼロだしコネもなし。
絵やデザイン関係の仕事に未練はあったものの、「絵の仕事とかどうやって探せばいいのか分からないしどんな感じか想像もつかない……怖いし無理だ」と思っていた。
でも今はイラストやデザイン業界もクラウドソーシングという業務形態になってきていている。ネットで絵の仕事も探すことができるので、コミュ障出不精の自分でも30代から副業でデザインの仕事を経験することができた。
実際に今すぐ絵の仕事をするかどうかは別として、「絵の仕事って一般的にはこういう流れで進むんだな」「もしTwitterやpixivから絵の仕事依頼が来たらこんな感じなんだな」というのが分かるだけでも落ち着くし、本気で絵の仕事を目指すにせよ諦めるにせよ、なんとなくケツの座りもよくなる。
参考までに、自分はどんなクラウドソーシングサービスに登録してどう使っていったかという記事。
「クラウドソーシングとかめんどくさいし、今すぐパッと誰かに教えて欲しい」という場合は、『パルミー』にそういった講座もありました。
▽絵の仕事の流れについての講座(『パルミー』の講座です)
▽相場の決め方について考えてみた記事はこちら。
自分が登録しているクラウドソーシングサービス
自分が登録しているサービスはすべて無料で使えるもの。仕事をしたときに依頼人からサービスを通してクリエイターにお金が振り込まれ、その際にいくばくか手数料が取られるという仕組み。
登録したとて仕事の依頼が来るわけでもなければノルマがあるわけでもない。
ただただ「クリエイター気分だけでも味わうか」くらいの気持ちでいくつか登録していた感じです。
ハードル低めの『ココナラ』
「最近はネットで絵の仕事が受けられるんだ」と知ったきっかけは『ココナラ 』だった。
「自分のスキルを売り買いできる」とか「スキルのフリーマーケット」というキャッチコピーで、ビビりの私でも登録してみようと思えた。
ポートフォリオを作成して依頼を待つ感じで、まさにフリーマーケットの感覚。「今すぐ仕事をしたい」という人や、自分からガンガン売り込める人にはもどかしいかも。(ガンガン売り込める人は自分でとっくにやってるか……)
まずネットで絵の仕事をするとっかかりとしては気軽に始めやすそう。
実際の依頼の感じが分かる『ランサーズ』
もう一つ登録しているのが『ランサーズ 』。
『ココナラ』と違ってまず企業や個人が仕事を提示し、そこにクリエイターが提案して選んでもらうというシステム。
「実際に企業から依頼されるのはどんな仕事なのか」「実際に企業が提示してくる料金相場はどれくらいか」というのが分かったのがよかった。
クラウドソーシングというと『ランサーズ』と『クラウドワークス』が有名で自分も最初は両方登録していたけど、かぶっている案件も多いから『ランサーズ』だけにした。
登録してから何をしたか
同業種のクリエイターを知ることで市場の感じをつかむ
登録したと言っても別にノルマもないし、すぐに何かしたわけではない。
自分は似顔絵を描く絵描きなので、まずは同業のクリエイターを検索した。
SNSアイコン用の似顔絵を安く早く作成するクリエイターがたくさんいて、個人ブログや起業系SNSのアイコンでよく見かける感じの絵柄(さわやか系)や、今どきの絵柄(pixivっぽい系)が多いんだなという印象を受けた。
また、クリエイターのプロフィールを見ると、こんな感じのことを明記している人が多かった。
- どんなスキル・資格を持っているか(クリスタ、Adobeソフト、ITパスポートなど)
- 料金設定はどんな感じか(基本料金プラス差分や修正など)
- 納品スケジュールはどう決めているか(ラフの確認回数や仕上げにかかる日数など)
- 対応できる時間帯や対応の早さ(「何曜日の何時から何時まで対応可能」など)
仕事の実際の流れや料金相場はもちろん、「プロフィールってこんなふうにこんなことを書けばいいんだな」というのが分かったのはかなり助かった。
ポートフォリオ作成や自分のスキル見直しのきっかけに
自分は結局クラウドソーシングをメインにはしなかったのだけど、
- ポートフォリオ作成
- 足りないスキルの見直し
をするいい機会になった。
「どうせ絵の仕事なんてしないし」と考えていたためきちんとしたポートフォリオも作っていなかったし、どんなスキルがあると有利なのかなんてじっくり考えたこともなかったから。
ポートフォリオのために絵やデザインを描き足したりもしたし、10年以上触ってきたAdobe Illustratorの知識をアップデートしたりもした。
どれも、このときすぐには役に立たなかった。
けど、数年後知人のツテでデザイン仕事の話が来たときにTumblrで作ってあったポートフォリオを見せて「他にこんなの描いてます! イラレ使えます! やれます!」と即断できた。
「あのときに内ポケットに入れていたスキットルで銃弾を受けることができた……!?」みたいなことは人生のうち何度か本当に起こるんだなと。
ポートフォリオ作りながらAdobeソフト勉強しながらガンガン自分で売り込んでいっていれば、数年も無駄にせずもっと早くに仕事を受けられていただろうけど……。
誰かに教えてほしい場合は『パルミー』の講座もあります
「クラウドソーシングに登録して自分でいろいろ検索して自分で考えなきゃいけないのか……それだとよく分からないから、誰かに順序立てて教えて欲しい」という場合は、『パルミー』でプロの絵仕事の流れを解説してくれている講座があります。
ちょっと探せばいろいろ分かるオープンな時代
自分が就職活動をしていた頃は、他業種のことはあまり分からなかった。自分がグイグイいかなかったせいかもしれないけど……。
特にデザイン系は「選ばれしセンスのいい人たちが常人の計り知れない業務形態でなんかクリエイティブなことをしてお給料いくらもらってるかも謎」みたいな、一昔前の美大挫折組だった自分にとってはやっかみと憧れがうずまくような高嶺の花だった。そしてそれを、長いことコンプレックスとして抱え込んできた。
私のように一昔前の感覚で諦めてしまっている人もいるんじゃないかと思う。
今はちょっと探せばすぐになんでも分かるし、雰囲気もつかめる。自分なりに絵やデザインを仕事にしやすい時代になったよなあと感じている。