イラストの仕事をしたいけど未経験だしコネも無いし、仕事の探し方も始め方も分からない……
と悩んでいる人向け、【コネが無い未経験者でもクラウドソーシングでイラストの仕事はできます。①初心者にもできる案件がある②実績が積める③他のクリエイターを見て学べる、という点が良かったです。】という記事。
クラウドソーシングとは?
クラウドソーシングというのは言葉の通り、クラウド(群衆)にソーシング(業務委託)すること。
プログラミングや通訳、コンサルタント、営業、マーケティングなど、いろいろな業務が委託されているけど、この中にイラストやデザインなどのジャンルもある。
流れをごく簡単に言うと、
企業や個人のクライアント「こういうイラスト・デザインが欲しいんだけど描いてくれる人いないかな? ギャラはこれくらい、納期はこれくらい。AIデータで納品してください」と案件を出す
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イラストを描く者たち「こんなのどうでしょう?」とラフを提案
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その中からいちばんイメージや条件が合うものが選ばれて、仕事を請ける
こんな感じ。
コンサル業や営業に比べれば実績よりも「今提出できるラフ案」で判断されるので、その点は未経験者でも参入しやすいと言えるかもしれない。
たいていは登録無料で、仕事が成立してギャラが確定したときにそこから何%かの手数料を引かれる仕組みなことが多い。
登録しても別に何かやらなければいけないわけではなく、ノルマもない。「これなら請けられそう」という案件があったときだけ、したければラフ提案をすればいいし、まわりの他のクリエイターの仕事ぶりをしばらく眺めているだけでもいい。もちろんガンガン行きたい場合にはいくらでもガンガン行ける。
クラウドソーシングの良いところ
未経験者・初心者でも実績が積める
自分は今までデザインの仕事を多少はやっていて全くの未経験者ではなかったものの、まだまだ経験が浅かった。なので、クラウドソーシングで仕事の幅を増やせたことでだいぶ助かった。
そもそもなぜ未経験者が不利なのかというと、経験が足りないのはもちろんだけど、それ以上に【実績】がゼロだからというのがある。
実績というのは「自分はすごいでっかい企業と仕事したことあるんだぜ!」という虎の威アピールではなくて、「自分は今までも誠実に仕事をこなし、責任持って遂行してきています。安心して任せてもらっても大丈夫ですよ」という、言わば「信用」のアピールだと考えている。
取引先にしてみればとにかく「途中で連絡が取れなくなったりせず、こまめに確実に納期を守って仕事をこなしてくれる人」と仕事をしたい。
だから実績もしくはコネがなければなかなか仕事は請けられないし、仕事を請けられなければ実績も得られない。今まではここでみんな詰んでいた。
でもクラウドソーシングのサービスが両者の仲介に入ることでクリエイターの身元がある程度は保証されるし、仕事の途中でとんずらもされにくい。(中途半端な仕事をすると評価が下がって次から仕事が請けにくくなるので)
つまりクラウドソーシングなら未経験者でも仕事を請けやすく、その上実績を作ることができて未経験者ではなくなる、ということ。
個人情報を出さずに済むので安心
クラウドソーシングを通さず自分で仕事を請けていた頃は住所や本名、口座番号のやりとりをしなければならなかった。それ以上にギャラの未払いにも悩まされ、仕事を請けることに慎重になってしまった。
これも、クラウドソーシングサービスを使うことでクリアできた。
- たいてい独自のメッセージツールやチャットツールがあり、メールアドレスなど個人的な連絡先を先方に教える必要がない
- ギャラは取引先からクラウドソーシングサービスへ振り込まれ、そこから手数料を引いた分がクリエイターに振り込まれる仕組みで、口座番号などを教える必要もない
※クラウドソーシングへの登録・利用は本名でなくてもOKだけど、本人確認書類を出して身元を証明することで請けられる案件が増えたり待遇がアップしたりというのがある。
案件の相場が分かってくる
またクラウドソーシングで案件を眺めているだけでも、価格相場を肌で感じられるのもよかった。
価格相場って一概に言えるものではなくて、データ込みで渡せばいくらとか、この大きさだったらいくらだとか、何点描けばいくらだとか、もちろんクライアントによって違うし、なんというか経験や肌感覚によるものが大きい。
その点、クラウドソーシングはたいていクライアント側がギャラを提示しているし、まわりにも同業者がたくさんいるので、価格相場のリサーチもできる。
たくさんの案件を請けているうち「これくらいの労力で○円なら請けてもいいな」「この手間でこのギャラだと割に合わないな」などと自分なりに基準ができ、料金の提示ができるようにもなってきた。
ギャラって「相場を調べて決めて終わり」というものではなく、経験を積み重ねて自分なりの仕事の仕方で調整していく部分が多い。
「需要の多い仕事」を把握することができ、必要なスキルを磨ける
イラストの仕事のバリエーションって、ここ数年で目まぐるしく変わってきていると思う。
最近新しく発生してきた仕事や増えてきている仕事(Vtuberのキャラデザなど)もあれば、減ってきている仕事(記念的なアナログ似顔絵など)もある。
そういった需要の移り変わりのようなものも、クラウドソーシングで把握できるようになった。
かと思えば、流行に左右されにくいというか、コンスタントに見かける案件もある。たとえば企業のロゴマークやお店の看板など。
ロゴや看板のデザインはたいていAIデータで納品することが多いので、自分はAdobe Illustratorを使えたことでけっこうアドバンテージを得ていたように思う。
他の人の仕事のやり方が見える
ある意味自分にとっていちばん良かったかもしれない点は、クラウドソーシング内の他のクリエイターのやり方を見て学べたこと。
フリーランスのイラストレーターやデザイナーというのは横の情報交換がしにくく、分からないことだらけでいつも不安だった。(今はSNSで積極的に人脈を作る人もいるのかもしれないけど、自分はガツガツ行くのが苦手)
でもクラウドソーシングなら、他のイラストレーターやデザイナーの仕事ぶりをプロフィールページなどで身近に見ることができる。
言わばまわりは同業者や先輩だらけなので、クラウドソーシングに登録するだけでもかなり勉強になったし、心強かった。(すごい人のすごい仕事ぶりに焦ることもあるけど)
仕事としてイラストを描いて、良かったこともある
これは自分の場合だけど、仕事で(=お金をもらって)イラストを描くことで、責任を持って取り組めたり、些細なプライドにこだわらなくなったり、「自分のスキルで誰かの役に立てている」という喜びを感じられたりと、メンタル的にも良かった気がしている。
自分が登録しているクラウドソーシングサービス2つ(+その他)
クラウドソーシングサービスはどこも無料で登録できるので、登録してしばらく覗いてみて、使いやすいところを続けてみるのがいいと思う。
今は自分は、メジャーな2つのランサーズ
他にも、Bizseek
クラウドソーシングの他にも、「スキルのフリマ」というキャッチコピーのココナラ
※1 コミッションサービスというのは、好きなクリエイターに有償でイラストを依頼できる仕組みのこと。海外では一般的だそうです。
手数料や詳しいシステム、インターフェイスはそれぞれ少しずつ違うのだけど総合的に見ればどれも遜色なくて、「どれを選んだら良いか」みたいなのは正直好みだと思う。自分はいろいろ登録だけはしてみて、結果的に使いやすいサービスを使い続けている感じ。
「やってみて楽しければ続けよう」くらいのノリで登録した
自分は今までに多少デザインの仕事をしてきたので経験がゼロではなかったものの、ほぼゼロみたいなものだった。
これからもデザインの仕事をやっていこうかどうしようか? と迷っていたのだけど、「やってみて楽しければ続ければいいや」という軽い気持ちでクラウドソーシングに登録し、今でもほそぼそと続けている。
全く経験がない人も、同じ感じだと思う。
とりあえずクラウドソーシングサービスに登録してみる。
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案件や他クリエイターの様子を眺めてみる。
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「へえ、こんな感じでみんな仕事してるんだな」という空気が分かる
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自分でもやってみたいと思えばやってみる。もしくは、様子を眺めてみる。
一度踏み出したら戻れないというわけではないので。