絵が上手い人の特徴とは→観察力?集中力?丁寧で器用じゃなきゃダメ?

絵が上手い人(上手くなる人)って、絵が下手な人と比べてどんな特徴があるの?

観察力とか集中力がある人や、丁寧で器用な人は絵が上手いの? じゃあ私は無理だな……

と、絵が上手くなる人の特徴にこだわってしまう人向け【絵が上手い人(上手くなる人)っていうのはつきつめれば『どうしても描きたいものがある人』なのでは?】という記事。

絵が上手くなる人ってどんな特徴があるか、自分はそれに合致しているのかって、気になる人もいるんじゃないかと思う。

「絵が上手い人ってもともと観察力があるんだよね」

「生まれつき器用で丁寧だから絵が上手いんじゃない?」

「私は観察力もないし、子どもの頃から集中できないタイプだし、だから絵が下手なんだよ」

「私は手先も不器用だし汚部屋だし、絶対絵は上手くなれないタイプだな」

ついついそんなふうに判断しがちだけど、それはあくまでも枝葉の部分であって、絵の適正ってそんな些末なことじゃないのでは? と自分は考えている。

絵が上手い人・上手くなる人というのは、【どうしても描きたいものがある人】なんじゃないかという記事です。

「自分は絵が上手くなれる」っていう根拠が欲しい

「絵が上手い人の特徴って?」みたいな問いはたまにSNSでも話題になるし、このブログにも「絵が上手い 特徴」で検索してくる人がかなり多い。

推測するに、「自分はこのまま練習していて絵が上手くなれるのか?」「自分に絵の適正があるのかないのか?」ということが気になっているのではないかと思う。

「絵が上手い人 特徴」とかでググって、「『集中力がある人は絵が上手くなる』って書いてある! 私は『コツコツやる集中力があります』って小学生の通信簿に書かれたことあるから、絵が上手くなる特徴を備えているぞ! きっと上手くなるはず!」みたいなことを期待しているのかもしれない。

たいして努力もせずに「自分は絵が上手くなれる」という根拠を欲しがってしまうというか。根拠があればがんばるけどないならやる気しない、みたいな。(昔の私です)

でもきっと「これとこれがあればOK!」みたいなそんな簡単な話ではない。

よく言われる【絵が上手い人の特徴】とは

ネットの記事や、一般的に言われるであろう【絵が上手い人の特徴】を挙げるとすると、

  • ものをとらえる観察力がある
  • 描き続ける集中力がある
  • 毎日コツコツ努力できる真面目さ
  • 資料を集めるなど調べ物をいとわないマメさ
  • 手先が器用
  • 几帳面
  • 右脳が発達していてなんちゃら

こんな感じじゃないかしら。

「やったー! けっこう当てはまっているぞ!」と思う人もいれば、「あー私観察力ないわー集中力もマメさもないし無理だな……」とがっかりする人もいるだろう。

いや、「観察力もないし集中力もないしマメさもない」って言うけど、それがどうしても描きたい大好きな推しの絵だったらどうだろう?

※推しというのはキャラでも人でも無機物でもメカでも腐女子ならCPでも、なんでも。

絵が上手い人の特徴は「どうしても描きたいものがある人」

「私は観察力がないから」なんて思っていても、大好きな推しのことなら「観察しなきゃ」とか思う前に無意識で観察してしまうのでは?

大好きな推しの絵なら、誰に強制されなくてもせっせと集中して続きを描いてしまうのでは?

細かい衣装の装飾も、知りたくてワクワクして「そこまで要らんだろ」ってくらいマメに資料を集めてしまうのでは?

つまり【絵が上手い人の特徴】とは「どうしても描きたいものがある人は自然とこうなっちゃうよ」ということだと思うんだけど、どうだろうか。

つまり性癖は何にも勝るということ。

絵を描いていれば、みんな一生に何度かは自分のタイミングで「ぜっっっっったいに描きたい大好きなモチーフ」に出会うんじゃないかと思う。

ということは、みんな絵が上手くなるチャンスがあるってことだ。

自分のまわりにも「この沼に落ちてマッチョなキャラのデッサンが楽しくてしかたない! あんなに嫌いだったデッサンをやってるなんて自分でも信じられない」「ズボラな私がこんなにマメに資料を集めて嬉々として細かい作業をしている……人って変わりますね……」みたいな人はたくさんいる。

どれもこれも推しを描くために身体が勝手にワクワク、自動で動いてしまっている。それこそが趣味で絵を描く楽しさなのでは。

それを、

「絵が上手くなるには観察力が必要! 観察力をつけるために毎日リンゴを凝視してデッサンをしなきゃ。でもこれで本当に観察力は上がるのかな……?」

「絵が上手い人は集中力があるから集中力が大事! 集中力を鍛えるために日頃から訓練しよう。でも、どうやったら集中力って鍛えられるの……?」

とかってやるのは意味がないどころかしんどすぎる。そりゃあいやになってしまう。

観察力や集中力や几帳面さを鍛える方法というのは「どうしても描きたい!」というものに出会うことで、そうすれば自動でバフがかかってしまうんだと思う。

【絵が上手くなる人】のほかの要素について

器用とか几帳面とかの要素

「でも手先の器用さとか几帳面さとかは、推しがいようがいまいが変わらないじゃん」

確かに「どうしても描きたいものがある!」と思ったからといって急に手先が器用になることはない。

だけど器質的にペンが握れないとかでなければ、好きで毎日描いていれば少なからず慣れる。(もし器質的にペンが握りにくい人であったとしても、「どうしてもこれを描きたい!」と思えば自分の肉体を最適化させて自分の表現したいものを描いてしまうのではないか。)

あと「推しができれば几帳面な人間になる」というわけではなく、推しを描くときだけ几帳面になるんだと思う。自分の同人仲間に「部屋はぐっちゃぐちゃでキノコ生えてるけど原稿だけは几帳面」という人もいた。

右脳派じゃないと絵が上手くならない、みたいな言説

「左脳派は理屈だから絵が下手、右脳派は直感だから絵が上手い。両手を組んでどっちの指が上だと右脳派です!」みたいなこともまことしやかに言われる話だけど、あくまでも個人的には、この右脳だ左脳だについては信憑性はないと感じる。

そもそも脳のことについては研究がまだまだ途上で、定説もくつがえりまくっている。少なくとも素人が「自分は左脳派だから絵が上手くならない」と言い切れるようなものではない。

ただ「理屈と直感をうまく使い分けることで、絵はもっと描きやすくなるかも」とは感じているので、それを便宜上【右脳】と【左脳】で説明することはできる。

個人的には『脳の右側で描け』という本を読んだのが良かったです。絵を描く上での直感の使い方がなんとなくつかめた気がします。

これがあるともっといいかも、なプラスアルファの要素

あとはプラスアルファとして「せっかく上がったステータス値を持て余さないよう、スケジュールを立てて着実に作業を進める能力」があると効率がいいよな、とは考えている。

どうしても描きたいものがあってパーンとなっちゃって無理して、人間関係や仕事を吹っ飛ばしたり身体を壊していたら世話ないので。

原稿のしめきりから逆算して1日何ページ描くとか、推しの誕生日イラストを当日までに完成させるには毎日どれくらい作業すればいいかとか。学校の勉強ができた人って「やりたいこと、すべきことを無理のないスケジュールで効率的にこなす」ということが得意だと思うけど、そんな感じ。

【絵が上手い人の特徴】はおまじない程度

「自分は絵が上手い人の特徴に当てはまってたから、何もしなくても絵は上手い(上手くなる)はず。安心だ」

「絵が上手い人の特徴に当てはまらないから、自分は下手でも仕方ない。描く意味がないから描かない」

とかいうのは、自分では何もしないことへの言い訳になってしまうのではないかと思う。(自分のことを思い返すとそうだったのかもしれない。)

せいぜいおまじない程度というか、「私は几帳面な性格だから、やろうと思えばやれるはずだ、よしよし」くらいに考えるほうがいい気がする。

誰だってどうしても描きたいものに出会ってしまったら自動で描いてしまって、自動で上手くなってしまう(語弊はあります)。これがつまり「好きこそものの上手なれ」ということになる。

「絵は描きたいけど観察力も集中力もないし、コツコツやる気力もないんだよな……」という場合、まだ本当に「どうしても描きたいなにか」には出会っていないだけなのかもしれない。

「自分は絵の適正がない、上手くなれないタイプの人間なんだ」と決め付けて焦らずにのんびり好きなものにたくさん出会っていき、そして、いつか自分のお絵描き人生を揺るがすようなやばい出会いが訪れたときのために、夢中で描き続けられる健康な体を作っておくのだ。

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