「絵が急に下手になった?」と感じたから手癖を意識して減らしてみた

「絵が上手く描けるときと下手なときのムラが激しい」

「昨日と比べて急に絵が下手になった!?」

という人向け、【私の場合、出来上がりにムラが激しいのは手癖で描いているせいだと感じた。手癖を抑えて意識的に線を引くために私がしてみたこと】についての記事。

上手く描けるときと下手なときの差が激しいから、手癖を減らしてみた

以前の自分は日によって全然上手く描けないときがあって「あれ、絵が下手になった!?」みたいなことがあった。20代、同人活動をし始めて推しを描きまくっていた頃。

今考えれば、描きやすい顔の描き慣れた推しを、同じような角度、同じような表情の【手癖】で描きまくっていた。決め顔だけは描けるけどほとんど顔漫画で、ちょっと角度を変えると描けない。描けても顔面が崩壊する。だから絵も安定するわけがなかった。

【手癖】って言葉があるけど、「手癖で描いたけどうまく描けた」とか「手癖で描いてみたラクガキ」みたいに絵描きが日ごろ気軽に使うけど、これって絵描きにとっていちばん良くないことなんじゃないか?

その頃絵うまの友人からやんわりと「線をていねいに描くといいよ(手癖で描いてるからだよこのヘタクソが)」とアドバイスをもらったことがヒントになった。

そこから自分の手癖を減らす試行錯誤が始まったのです。

手がうまく動いていない

きれいな丸を描けるスピード=意識的に思った通りの線を描けるスピード

だと考えて、そのスピード感を体に思い出させるために自分はマルと直線を描く準備運動をやってみている。

勢いをつけずに思い通りの線を描くスピードって、意外とゆっくり。

対策:手慣らしに、マルと直線を描いてみるルーティンをやってみた。

「マルが上手く描けるようになっても絵が上手くなるわけないからムダである」という人もいるけど、この練習は"絵が上手くなるためにマルを描く"のではなくて、"脳と指先の感覚を結びつけて、思ったような線を描く準備運動"として行なっている。

そりゃ準備運動でストレッチしても野球は上手くならないでしょうよ。

でも絶対にするでしょうよ。

準備運動って何のためかというと、

  • 筋肉をしなやかにして怪我を防ぐため
  • 体を温めてコンディションを上げるため
  • 体と脳を結びつけて、脳で思った通りの動きを体にさせるため

絵も頭で思った通りの線を体を使って描くので同じだと私は考えている。

描き慣れたものに対する慢心

ふだんから手癖で描いていると、描き慣れたものはパパッとそれなりに描けるけどそうでないものはガクッと質が落ちる、ということがある。

例えば左向きの顔は描き慣れているけど、反対向きに描くと顔面がめちゃくちゃになる……みたいなこと。

対策:マンガを描いてみた。

「手癖で描くのをやめて、いろいろな角度で描く練習をしましょう!」と言われたって、まあやらないよな。手癖で描く方が楽しいし、何より【癖】なんだからさ……。

だから、むりやりいろいろな角度の練習をするために、マンガを描いてみた。

マンガだとコマの都合でどうしても右向きを描くことがあったり、俯瞰、アオリ、全身、苦手な「手」も描かなきゃいけない。

表情もなりゆきではなく、そのシーンにふさわしいものを意識して描くことになる。

二次創作をしていたことで、「こういうストーリーが描きたい」「これをマンガにしたい」という熱意をガソリンにむりやりいろいろ描けたことが、すごく良かった。

描きたいことを正確に表現して伝えるために描くということを、初めて意識できた。上手くなったかはまた別。知らん。

長編じゃなくても2コマとか4コマとかでも、二次創作イラスト描いている人はぜひマンガも描いてみてほしい! というのは私が読みたいから……。マンガってその人の本性みたいのが出るのがすごく好き。

左脳が優位になっちゃってる

絵は右脳で描け、なんていうけど、左脳とか右脳っていうのはまだまだ言い切れるほど研究されていないみたい。

ただ、理屈優先で描くことと直感的に描くことを、意識して使い分けることはできると思う。

対策:右脳で描く、という感覚を学んでみた

ごちゃごちゃと細かいことはこの記事に書いてみています。

描き慣れてないものが極端に下手

キレイ系の青年は上手いのに、ゴツい系のキャラは別人が描いたみたいにクオリティが低い、というのもよくある。

これもふだん手癖で描き慣れているものとそうでないものの差が出てしまっているんだと思う。

とはいえ、「練習のために、美青年だけじゃなくマッチョやおじいちゃんも描きましょう!」と言われたって、まあたぶん描かない。

対策:二次創作で新しい世界を描いてみた。

二次創作だったら、苦手だろうが描き慣れてなかろうが、好きなキャラならおじいちゃんやマッチョも描かざるを得ない。

例えばドラゴンボール好きな人って少年も美少女も青年も描けるし、スキンヘッドのおじいちゃんも描けるし、いかついマッチョも描ける。

私自身もゴシック系やスポーツアニメや戦闘もののゲームにハマったことで、今まで描いたこともないようなモチーフをたくさん描く機会があった。

大好きで、どうしてもそれが描きたいから! という動機がないと、描き慣れていないものを練習しろって言われてもなかなか厳しいものがある。

絵が上手くなるのに必要なのは才能とか努力とかじゃなく、いろんなものを安易に好きになって安易に描いてみたくなるフットワークなのでは?

二次創作もうしてる人は、描いたことないキャラを描くとか、別ジャンルに新たにハマってみるとか。あとは「自分に描けそうなキャラだけすきになる」というパターンをやめてみるとか。

単に、偶然上手く描けるときと描けないときがある場合

また、初心者くらいだと、偶然上手く描けた日とそうでない日、みたいなのがある。

「じゃあ描き始めてどれくらいが初心者なのか。何ヶ月? 何年?」とハッキリさせたくなるところだけど、"偶然上手く描ける日とそうでない日のムラがあって、それに悩んでいるなら初心者"ってことにしとけばいいんじゃないかと思う。

対策:アタリをつけ、丁寧な線で練習を繰り返した。

前述の友人からアドバイスを受けて、私は線のシャッシャをやめた。

シャシャッと雑に描き飛ばすと自分では一見上手く見えがちで、描けていない部分に気づきにくく、ペン入れのときにどの線を拾えばいいか迷い、仕上がりもきたならしい。

"意味のあるアタリ"をていねいに描く、ということに気をつけるようにした。

手癖はなくならないけど、気付くとマシになった

人間なのでどうしてもムラはあるけど、そのムラの振れ幅を小さくすることはできる。

それに「これは手癖が出ちゃってるな」と気づきさえすればリカバリができる。

自分はどうしてムラがあるのか自分もうすうすわかっていたんだけど、それでも何もせずただ悩んでいるフリをしていたんだけど。

できることからやってみたら楽しかったよという話です。

  • 手がうまく動かないなら手慣らしルーティンを試してみる
  • 手癖で同じ角度しか描かないなら、マンガを描いてみる
  • 同じようなキャラしか描けないなら、二次創作してみる
  • 理屈で描いてしまっているなら、右脳で描いてみる
  • クオリティが偶然性に左右されるなら、「意味のあるアタリ」を

癖って無意識でなんとなく楽だからやっちゃうことなので、もっと楽しいことをちらつかせれば変えられる。

例えば夜にポテチを食べちゃう癖を変えるには、両手が塞がるゲームにどハマりすればいい、みたいなこと。

自分の場合、手癖を抜け出すのに二次創作がスイッチになることが多かった。

あと、体調が悪かったり、体のバランスが悪かったり、何か心配事で心が乱れていたり、というときもあるので、理由があるならそれにかこつけてちゃっかり休むっていうのも大事かなと思う。

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