絵の練習に飽きちゃった人のための対処法と、飽きない工夫について。

「絵の練習するの飽きちゃった……」

「毎日描かないと上手くならないって言うけど、どうすれば飽きずに練習できるの?」

という人向け、【絵の練習に飽きたときの対処法・飽きない工夫】について。

絵を描いていても「途中で飽きて完成させられない」というお悩みについてはこちらの記事に書いた。

心理学的には、【飽きる】にも二種類ある

心理学で言うと、「絵を描く練習に飽きちゃった……」には二つパターンがあると思う。

【馴化】と【心的飽和】。

同じ【飽きる】でもこの二つはパターンがちょっと違う。

刺激に馴れてしまった状態の【馴化】

まず【馴化(じゅんか)】。

これは字の通り、刺激に馴れた状態のこと。

例えば電車に乗ってて、一定の揺れや一定の騒音に馴れてくると眠くなってくるようなあの感覚とか、高速道路を走ってて眠くなってくるあの感覚が【馴化】。

絵も、毎日同じようなかわりばえのないものを描いていると一定のリズムができてしまい、刺激がなくなってくる。

以前の自分は「手癖で描けるものしか描かないからワンパターンになって飽きる」ということが多くて、これはまさに【馴化】だったと思う。

じゃあ「手癖で描くのやめてワンパターン脱しろよ、だから上手くならないんだろ」という話なので、まずはその方向で努力はするとして。

さて、さっきの電車の例えなら、「ウトウトしてたけど駅に向かって速度を落とし始めたら自然に目が覚めた」みたいなことがある。これを【脱馴化】という。

つまり、リズムを変えて変化をつけることで馴化から抜け出すことができる。

絵を描く上で変化をつけるなら、例えばこんな工夫はできると思う。

  • 描く時間帯を変えてみる
  • 場所を変えてみる
  • 画材を変えてみる
  • 使用ソフトを変えてみる

自分の場合は夜じゃなくて朝に時間を作って描くようにしたところ、いろいろと良かった。

  • 朝の時間は貴重だから緊張感がある
  • ネガティブになりにくい
  • 体が元気

【心的飽和】はうんざりしちゃってるので危険な状態

もう一つの【心的飽和】は、【馴化】よりも度合いがひどく、ネガティブな感情が付随している。

例えば「毎日いやな上司のいる会社に行くのがほんとうんざり……」みたいなのが【心的飽和】。

「飽きた」というより、「ダレてきた」「うんざりしてきた」という感じ。

また【共飽和】といって、関連すること全部いやになりやすい。

絵の練習で言えば、

「絵を描くのいやになっちゃった。画材を見るのもうんざり。他の人の絵も見たくない」

「ジャンルの話も楽しくないし、二次創作自体がイヤになってきた。Twitterのこのアカウントも消そうかな」

みたいな感じなのかなと思う。

この【心的飽和】は【疲労】とは違って休んでも治らないことが多く、休むとそのまま辞めちゃう可能性もある。(たしかに、この状態でジャンル移った人ってまず帰ってこないよね……)

【心的飽和】は【馴化】よりも複雑なので、単にペンを変えたくらいでは解消できない。

【心的飽和】が起こる要因は、会社を辞めたくなったときのあの感覚を思い出すとピンとくるかも。要因がいろいろあって、それらが相乗効果をもたらしている状態。

  • 緊張感が無くなる(慢性的な【馴化】の状態である)
  • 何かイヤな要素がある
  • 疲労がたまっている
  • 労力に対して報われていない感覚

【馴化】に陥らないようにする

まずは普段から【馴化】の状態に陥らないようにすることだと思う。

ハード面での変化だけでなくソフト面での変化をつけるとしたら、こんなこともできるかもしれない。

  • 制限時間を設けて描く(ワンドロやクロッキーなど)
  • 週に何度か日を決めてお題をやってみる(診断メーカーなど)
  • 描いたことのないものに取り組む(二次創作ならジャンルを変えてみる)
  • 別のSNSに投稿してみる(知り合いがいないような場所で馴れ合い無しの交流をする)
  • デッサン会、クロッキー会に参加してみる

朝に絵を描くようにしてみる

あとは、朝に活動するようにしてみる。

変化をつけるために夜じゃなくて朝に描くようにしたらいろいろ良かった、と上で書いたけど、

  • 朝の時間は貴重だから緊張感がある
  • ネガティブになりにくい
  • 体が元気

よく見るとこれって【心的飽和】の予防にもなっている。

意識高い系の人たちが「#朝活がんばってます」みたいなことよく言うけど、だからよけい「自分は朝活なんて絶対するもんかよ」と思ってしまっていたけど、朝に活動することはきちんと理にかなっているんだなと思った。

「朝活で生き方をシフト(キラキラ)」とかぼんやりした感じじゃなくて、ちゃんと理屈で教えてほしい。

イヤな要素をなるべく排除する

ちょっとしたことでも積もっていくとイヤになる。

  • 使いにくいツールはやめたり、改良する
  • 資料用ブックスタンドなど、快適グッズはどんどん活用する
  • クラスタ内でめんどくさい人がいるならミュートして関わらないようにする

特にSNSの場合、合わない人とつながっていることが苦になるって多いと思う。

疲労がたまっているなら休む

このブログでは何度も書いているけど、「しばらく休む」っていうのは自分の経験上とてもよかった。

しばらくって言っても3ヶ月程度から4年くらいまで、期間はいろいろ。

自分の場合、「休んだらまたがんばらなきゃ」とか思わず「もう絵なんか二度と描かなくていいわ!!!」くらいの気持ちで休んだ。

あと、睡眠時間が削られたらそのぶんメンタルも削られるので、きちんと寝て体と脳をしっかり休めるのは大事だと思う。

もっと報われるSNSの使い方をする

いったん【心的飽和】になってしまうと抜け出すのが一苦労なので、陥る前に気づきたい。

飽きっぽい人のほうが続けられる説

真面目な人ほど毎日同じようにがんばってしまい、【馴化】に苦しむことが多いと思う。

しかも「飽きるなんてダメだ!」と思ってしまうと、うんざりが加速して【心的飽和】に陥る。

むしろ「自分は飽きっぽくてダメなんだよね」という人のほうが、結果的には無理せず続けやすいんじゃないか、まである。

そもそも飽きっぽいというのは全然ダメなことじゃない。

飽きるのが早い

馴れるのが早い

飲み込みが早くて上達しやすい

そう考えれば、これはもう上手いこと脳をだまくらかして上手いこと続けていきましょうよ、ということになる。

タイトルとURLをコピーしました