デフォルメ絵が上手く描けない……どうやってデフォルメしたらいいんだろう?
と悩んでいる人向け、【デフォルメが難しくて上手く描けないと感じたときに自分がやってみた練習方法は①漫画絵の模写をしてデフォルメのバリエーションを知ってみた②アニメ絵をなぞってデフォルメのパターンをつかんでみた③太い線で描いてみた】という記事。
自分は中学生のとき、美術科受験のためにデッサンを習っていた。インプット量の多い思春期にリアルな絵ばかり練習していたためなのか、その後しばらくデフォルメ絵を描くのが難しく感じられる時期が続いた。
そのときから二次創作、同人活動もしていたのだけど、自分の絵柄がリアルっぽくて我ながらキモい……というのが悩みだった。
「もっといい感じにデフォルメした絵を描きたい!」と思ってやってみた練習について書きます。
「デフォルメ」と一言で言ってもマンガ絵やアニメ絵、ちびキャラなどいろいろあって、人によって定義があいまい。
この記事では見たものをそっくりそのまま描き写す写生以外を「デフォルメ」としており、スーパーデフォルメ(SD)やちびキャラについては触れていません。スーパーデフォルメ(SD)やちびキャラの描き方については、パルミーのおすすめ講座を貼っておきます。
▽KEIZO (ORETO)先生によるデフォルメキャラの描き方講座
▽くるみつ先生による通常キャラをデフォルメ(SD)化する場合の描き方講座
▽たか先生によるリアル度別キャラの描き分け講座
漫画絵の模写をして、デフォルメのバリエーションを知ってみた
自分は「デッサンなどで正しい人体は描けても、それを漫画やアニメっぽく崩すことができない」という感じだった。
自分がやってみたのは、デフォルメされた絵柄(漫画やアニメ)を模写しまくって、「この漫画家さんは人体をどんなふうにデフォルメしているのか」を実際に体感すること。
好きな漫画の模写は今までもやったことはあったけど、目に入るものや流行っているものはとりあえず模写して描いてみる、というのを3年ほどしばらくやっていた。
耳ひとつとっても作家によってデフォルメのしかたに違いがあることが分かって面白かった。「だったら自分はこういうデフォルメが好みだな」というのが固まってきたりした。
主に少年漫画、BL漫画、アニメーターさんの画集を模写することが多かったのだけど、
- 少年漫画……絵柄が多様で自分には思いつけないようなユニークなデフォルメ
- BL漫画……きわめて現実寄りだけどちょっとファンタジーが入ってるデフォルメ
- アニメーターの画集……簡略化した人体がリアルな動きをする、存在感のあるデフォルメ
みたいなことがそれぞれ学べたと感じている。
アニメ絵をなぞって、デフォルメのパターンをつかんでみた
模写をすることでたくさんの人のデフォルメを追体験したわけだけど、「なるほどなあ」とは思うものの消化しきれていない感覚があった。
最近『なぞるだけで絵がうまくなる! アニメ私塾式 キャラ作画上達ドリル』という書籍を半ば半信半疑で買って、これが自分にとってはデフォルメの感覚を体験する教材としてもよかった。
「なぞるだけで上手くなるわけないじゃん……?」と思う人も多いだろうから自分なりにこのタイトルを補完すると、
『なぞるだけなのでプロの絵のデフォルメの感覚を追体験しやすくつかみやすい。だから結果として絵のデフォルメのパターンが増えて、それっぽくうまいっぽく描けるようになるドリル』という感じ。
そう、模写をしていると「ああ、耳ってこうデフォルメして描いてるんだな」とか「マンガ絵なら肩幅はこれくらい狭く描いちゃってもバランスいいんだな」みたいなこまかい「気付き」があるのだけど、見ながら描くからどうしても描く作業のほうに気がとられてしまう。「気付き」があっても見逃したり作業の意識に埋もれてしまったりしがち。
でも、なぞることで、純粋に「気付き」だけを摂取できる。今までは「なぞって描くなんて幼稚! 子どもじゃあるまいし自分で描かなきゃ意味ないよ!」と思い込んでいたのだけど、なぞるってこういう効能もあるんだなと発見があった本だった。
他にもこのドリルの良かった点については以下の記事に書きました。
物理的にデフォルメせざるを得ないように、太い線で描いてみた
自分は似顔絵を描く絵描きだから「どの線を拾えばいちばん似るか」ということに出来が左右される。だけど、細い線で描くと物理的にどうしてもたくさん描き込めてしまい、ごまかしが発生しがちだった。
「細い線でたくさん描き込むとごまかしが発生しがち」というのは似顔絵以外でもあることで、絵柄の不安定さにもつながっていた。
どうもうまく似ないな、どうも上手く省略できないな、というときに最近やってみているのは、太い線で描いてみること。
物理的に描き込みを阻止して、線を減らしてデフォルメせざるを得ない状況に持っていく。力技みたいな感じ。
デフォルメのパターンをたくさん見て、取り入れていく
リアルな絵を見て育ってきて、リアルな絵しか描いて来なかった場合、急にデフォルメってできない気がする。逆に、漫画やアニメの絵しか触れてこなかった人はリアルな人体を描くことが難しく感じるかもしれない。
自分がデフォルメが苦手だったのは、そもそもデフォルメの例(アニメや漫画など)を見てきた絶対量が少なくて、特定のデフォルメしか引き出しがなかったからだと思う。
なので意識してもっといろいろなデフォルメのパターンに触れて幅を広げてみた、という話です。20代の頃さんざん右往左往して、10年くらいはかかったと思う。
「そんな悠長なことやってられん! 今すぐ手っ取り早く描けるようになりたいんだよ」「独学でもやるけど不安だからプロの手も借りたいな」という場合にはプロの講座もたくさんある良い時代。
▽KEIZO (ORETO)先生によるデフォルメキャラの描き方講座
▽くるみつ先生による通常キャラをデフォルメ(SD)化する場合の描き方講座
▽たか先生によるリアル度別キャラの描き分け講座